これはアメリカでの実話のお話です。

このお話は、人間が作り出した生ごみが自然にかえっていき、堆肥になることで再利用できるものもあるということを発見した当時の動画でもあると思われます。


今では、生ごみをたい肥として生まれ変わらせて、土に混ぜて使用することは当然のようになっていますが、その自然の摂理を発見した当時は、驚きの連続だったようです。


日本では早くから福島正信さんのうような方々が循環型農業のことを提唱されていたと思うのですが、その点に関してはアメリカは出遅れていたと思います。現に、福島さんもアメリカから講演依頼を受けて現地に赴いていたということを本で読みました。





このプロジェクトは、1997年にプリンストン大学のダニエル・ジャンツェンとウィニー・ハルバクスがコスタリカのオレンジジュース会社デル・オーロ社に提案をしたことから始まりました。


その提案とは、デル・オーロ社が国立公園の1つであるグアナカステ保全地域に、隣接する会社の土地を、寄付することに同意すれば、ジュースを製造する時に廃棄されるオレンジの皮を無料でその土地に投棄することを認めるというものでした。

デル・オーロ社はこの提案に同意し、トラック1000台分にあたる12000トンもの廃棄皮を、ほとんど不毛だった土地に投棄しました。


半年も時間が経つと、廃棄されたオレンジの皮は黒いローム質の土壌に変わりました。
そこにはハエがたかり、ウジ虫が湧いてもおかしくない状態になっていました。

せっかく良いスタートができたのに、競合企業のティコフルーツ社が、デル・オーロ社に対して国立公園を汚染していると訴訟を起こしてしまいました。


最高裁はティコフルーツ社に味方してしまったので、このプロジェクトは中止に追い込まれてしまいました。

そして、そのプロジェクトに関わった人々の記憶からも消えていきました。


時は過ぎ、16年後の2013年、当時、プロジェクトに関わっていた人が、別の研究でコスタリカを訪れた際に、あのオレンジの皮の場所がどうなっているか、ついでに見てみることにしました。


その人はプロジェクト開始当時、道路から数メートルの場所に、「実験地」と書いた標識を立てていました。

その高さは2メートルもの大きさであったので、その看板を目印に現地に行けば、その土地だとすぐに気づくと思っていました。

しかし、乾燥しきった土地の風景は、もはや見分けがつかないほどに一変し、目印だった標識が見えなくなるほどのジャングルになっていました。


オレンジの皮が大量に廃棄されていた場所は、そこにオレンジがあったことなんてまるで分からず、その場所を見つけるまでに数年かかるほどだったということです。


オレンジの皮を捨てなかった場所と比較してみると、実験的な堆肥が土壌を豊にし、樹木バイオマスや樹木種の生物多様性が増加していることが判明しました。

実験地の中には、大人3人が腕を伸ばして、ようやく抱きかかえることができるほどのイチジクの大樹まで生えていたそうです。



長い年月を経て、オレンジの果皮の巨大な山は堆肥とかわり、土壌分解されて完全になくなっていました。
その結果、この土地は大きな変貌を遂げていたということです。


堆肥に変化したオレンジの皮は、この土地に新しい生命を生み出すための基礎を築きました。
潤った土壌には木々が大きく成長し、さまざまな種類の動物がこの地域に戻って来ていました。


この発見は、完全に森林伐採が行われた土地でも、その土地で堆肥を作れば、ほんの数年以内に動植物が繁殖する土地として生まれ変わることが可能であることを示しました。


まとめ



生ごみと言っても、植物性の生ごみ、しかも、塩分も付いていない状態のものが良いのではないでしょうか?

たとえば、今回登場したオレンジの皮や玉ねぎの皮などやヘタなどですね。植物残滓というほうが良いかもしれません。

国内でも、このような事業を行い、リサイクルしている業者さんもあります。


堆肥置き場


例えば、このような堆肥置き場で、微生物や糸状菌などがたくさんいる土の中に、植物残滓を投入し、発酵を促します。

腐敗ではなく、発酵させるわけですね。


そうすると、微生物や糸状菌などがそれらを分解し、素晴らしい堆肥に生まれ変わります。


発酵中は、温度が70度くらいまで上がることもあり、悪い害虫などは死滅します。


そして温度が常温に戻るまでその土を切り返します。

また寝かせた後、使用できるようになります。


これらの微生物や糸状菌は、野菜などの植物にとって、大いに役に立ってくれる、言わば強力な助っ人です。


これらは土壌汚染になるのでは?という意見があったということがお話の中で出てきましたが、あれはライバル会社に対する当てつけに過ぎず、逆に分解されて、ジャングルになっていることが証明されています。


コンクリートジャングルのほうが、地球にとっては大ダメージです。

ですので、そのようにリサイクルできる環境が整っている場所があるのなら、大いに活用すべきだと思います。